場を作る

稽古場は舞台と違います。ですから、ただの部屋として捉えると集中が難しくなります。
道場なら、全体を場として捉えることができますが、普通の和室だったりすると、それなりの何らかの、取り組みをした方が良さそうです。

よく、稽古で、感情の解放を試みることがありますが、これはかなり危険な行為でもあると、僕は思うのです。自分を解放するわけですから、その瞬間は、無防備といいますか、魔が入りやすい瞬間でもあると思うのです。そんな危険な行為を、雑多極まりない稽古場でするのは、ちょっと軽率なことの様な気がします。ですから、たぶん身体も危険を察して、感情を解放することにブレーキを無意識の世界でかけているのだと思います。それを、強引に勢いや気合いで、つまり精神でもって破壊していく行為は感性が潰れてしまうと思います。

とりあえず、このなんの変哲もない和室に場を作ることから始めます。

今回お借りした和室が12畳決して広くないです。これを舞台に見立てるのはなかなか、難しい。そこで、この12畳のうちの4畳半を舞台空間として、見立てることからはじめます。つまり、この瞬間から、簡易的な禁足地として、入ることが制限することからはじめます。結界です。能舞台でいうと柱を四方に立てる感じですね。

まずこの結界を外から、眺めてみます。目を閉じて虚線が浮かび上がるのをまって、それを自分の中に取り入れていきます。

次に、この結界の中に入ることができる箇所を探していきます。見つかったら、そこから足を運んで進みます。
目を閉じたまま、足が進むことが出来る方へ進み、これ以上無理と感じた場所で、正座する

稽古実技

*結界の外から、虚線を背中に取り込んでみる
*結界へ入れる箇所を探してみる。足が動くところ
*舞台に入り、足を運ぶ、動く方へしか動かない。このとき目は閉じている
*動けなくなったら、そこで正座をする。このときの空間のゆがみを見る
*空間のゆがみをとりあえず、虚線を引いて、消してみる。
*ゆがみが落ち着いたら、礼をする
*立ち上がり、目を閉じたまま動けるように動いて、舞台から、外れたと感じたところで、振り向き正座、礼をする
*そっと、目を開けてみる

説明が必要になりそうな内容

*正座
*礼
*すり足
*足のおくりと運び
*虚線

技術的解説が、のちに必要になりそうな要素

*呼吸
*足の感覚
*見ると感じる
*立つという行為

記録

結界をはると、もうその中でしか芝居をしたくなくなる。集中観が維持される感覚が得られる。見られているところを明確に意識できるようになる。

わりと簡易的な行為ですが、充分特別な場として、いけるような気がしました。

 

 

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