
役作りは必要ないよ。と言えば、たぶん、すべての人が、それは無いと怒るでしょうね。笑
特に学校や養成所でお芝居を習うと、役作りすることによって、いつもの自分から脱却して違う人物になって初めて演技ができると思うというか、そういう風に習ってくるんですよね。これは、たぶん、例えば大きな声を出せと言っても、出せない人がいる。じゃあ、そういう役なら出せるでしょう的な、アプローチをしているのかな?と思う。人前で演技するなんて恥ずかしいから、役作りで違う人間になって演技すれば、恥ずかしくないとか?まあ、そんな理由の役作りは困りますよね。
とりあえず、等身大の自分で芝居ができて、その後から役作りという味を足していくというなら良いと思いますが、役作りを演技の動機にするのは、初心者すぎますね??
僕がワークショップで、台詞覚えるの大変だろうとおもって、紙一枚ぐらいに収まるシーンをわざわざ選んで、ここやりますというと、初心者の人はだいたい、これだけの情報では、役作りできないし、物語の流れがわからないと芝居ができませんという。だからそんな役作りなんてしなくて良いし物語の流れなんて知らなくてもこのシーンだけで、よいよって言うと、だいたい、もう来なくなりますね。笑。役作りもしないようなワークショップなんかやっても無駄だというわけです。
余談ですが、昔、フランスの映画に出演したとき 注意 こう言うとみなさんは、僕が有名人ではないので、どうせフランスといっても、片田舎の自主映画かなんかだろって思ってしまうのですが、違います。世界のトップの現場です。ちなみにプロデューサーさんはカンヌでパルムドールを二年連続で受賞。監督さんは、セザール賞7冠とった巨匠、セザール賞はアメリカのアカデミー賞です。そして、相手の女優さんは、デビューですでにドイツで賞を取って、僕との共演が評価されて、セザール賞、最優秀女優賞受賞です。と前書き長くなりましたが、まあ、そんな世界的にトップの現場で監督さんが僕に聞いた言葉が、「どうして日本の俳優はみんな役作りしてくるんだい?」僕「そうですね日本の現場は発表の場なので、ほとんどの場合、役作りはしてきています」監督「いいかい、ここでは違うんだよ、役作りは現場で、みんなと一緒に作る物なんだよ。撮影現場は発表の場ではなく実験の場なんだよ」いいですか?この言葉ひとつで、日本と世界のレベルの差がよくわかりますよね。このような現場のオーディションに勝ち残るためには、まず等身大の自分で役に集中出来ることが大事かもですね。

と余談がながくなりました。役作りの問題点をここから書くと長くなりすぎますので、ページを変えますね。
